先日は次男の学校のフィールドトリップで、
Goldstream Park にサーモンの遡上を見学に行ってきました。この州立公園はバンクーバーアイランドの南端、ビクトリアの近くに位置しています。

まずは自然観察センターで、パークレンジャーのジェシーさんからサーモンの遡上についていろいろと教えてもらいました。彼の自然に関する知識はとても豊富で、子供たちの質問にてきぱきとジョークを交えて答えていました。

そして、森のトレールを歩いて遡上するサーモンを見に案内してもらいました。途中、いろいろと興味深い話が盛りだくさん。川の近くの森の木を切った時に年輪を観察して、年輪間の幅の広い年はサーモンがたくさん遡上した年なのだそうです。なぜならば、産卵後、絶命したサーモンは水中のプランクトンを育てるだけではなく、森の動物達も育てます。そしてその屍のみならず動物達の排泄物が森の土壌を豊かにするためです。

河原に出てみると、いましたいましたサーモンが。はじめてサーモンの遡上を見たこどもたちは大はしゃぎです。

雌は尾びれで川底をならして産卵の準備をしています。川を登ったサーモンはエサをいっさい口にしないため痩せ細り、雄は雌の争奪戦で傷つきボロボロです。

河原には夥しい数のサーモンの屍。そのサーモンの屍から発せられる腐敗臭がものすごい臭いです。
そして、力尽きたサーモンを狙う夥しい数のカモメたち。カモメたちはサーモンが力尽きると真っ先に目玉を食べます。目玉には栄養がたっぷりなんでしょうね。サーモンの皮は口ばしでは引き裂けないほど硬いので、皮が柔らかくなるまで気長に待ちます。

こちらは、光凜となかよしのアイナちゃん。彼女の両親はスイス人なので家庭内の言語はフランス語がほとんど。したがって、英語がほとんどしゃべれません。光凜も英語がほとんどしゃべれないのでどうやってコミュニケーションをとっているのかは謎です(笑)。子供同士のコミュニケーションには言葉はいらないのでしょうね。
話がそれましたが、
この時期、この川に回帰していたのはチャムサーモン(シロザケ)でした。体長は70~80cm。体色は背中が藍灰色で腹部が銀白色。産卵期には腹部に赤紫色の雲紋状の斑点が現れ、これを婚姻色と呼びます。この時期の雄は吻と下あごが伸びて湾曲した鼻曲がりになります。孵化して体長5cm位の大きさで川を下り、通常4年ほど海で過ごしてから生まれた川に遡って産卵し、その産卵数は3000粒ほどだそうです。
それにしても、4年後に自分の生まれた川に回帰するサーモン、不思議ですね。川の臭いを記憶しているのでしょうか。それとも、景色を覚えているのでしょうか。まさに大自然の神秘ですね。