2010年 05月 12日
奇跡のリンゴ |
奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録
ベストセラーになった本なので、お読みになった方も多いと思います。木村秋則さんが10年近くの無収穫時代を経験して「奇跡のリンゴ」にたどり着く姿は、涙なしでは読み進めません。
木村さんがリンゴ栽培を通じて教えてくれるのは、ただ単に食べ物のことだけではありません。人としての生き方、働き方、考え方、家族との絆というものをもう一度真剣に考えさせてくれます。
このブログの左端のあるライフログの「リンゴが教えてくれたこと」、「すべては宇宙の采配」もお薦めです。特に、「すべては宇宙の采配」はスピリチュアルのテイストが入っててなかなか興味深いです。もしかして、木村さんって人生のどん底を経験したことによってそっち系の人になってしまったのでしょうか?それとも、もともとそっち系の人だからこそこのように偉大な仕事を成し得たのでしょうか?
まだお読みになられていない方は、どれか1冊でもいいですので今すぐ読むことをお薦めします。
さて、その木村さんの「奇跡のリンゴ」は腐らないそうです。木村さん曰く、「自然のものは時間が経てば枯れていくだけだ」と。
その腐らないリンゴが上の写真のリンゴで、シワシワにはなっていますが収穫から7ヶ月たった今も腐るどころか、今なお甘酸っぱいリンゴの香りがします。
というのは冗談で(笑)、実はこのリンゴ、木村さんのリンゴではなく、ソルトスプリング島産のリンゴです。昨年の秋に収穫し、裏口の涼しい場所(気温16℃前後)に置いておいたものです。
ちなみにこのリンゴを収穫したファームの状況ですが、今現在まったく手入れがされてない状態で、無剪定はもちろんの事、農薬、肥料を10年以上も施していない放置ファームです。私がリンゴを収穫した時には、ブラックベリーや潅木がリンゴの木の根元に密生しており、引っかき傷を作りながらの収穫作業でした。
私の知っている範囲で、この島でリンゴ畑に農薬散布や肥料を施しているというファームは聞いたことがありません。やっていることといえば、剪定や下草刈り程度のことでしょうか。日本では施肥はもちろんの事、農薬散布は年に10~20回もするそうですね。おそらく、カナダのリンゴは日本ほど品種改良が進んでいないため病害虫の被害が殆ど無いのではないでしょうか。それと、日本とは対照的な乾燥した気候風土も害虫や病原菌の発生に歯止めをかける要因のひとつと考えられます。
さて、この放置ファームですが、木村さんのリンゴ畑のように土中の微生物や菌がお互いうまく作用しあっていてさながら小宇宙のようになっているのではないかと思われます。木村さん曰く、「無農薬栽培のポイントは害虫を益虫が食べてくれること」だそうです。農薬を散布しないことによって、畑全体が見事な循環型の多様な生態系を作り出しているのでしょう。
生態系が多様であるということは、一つの虫が大発生するということがありません。農薬を散布する普通の畑は、いわば力で押さえつけている不自然な状態であるため生態系のバランスが崩れています。それで、どこかにスキがあると、そこを突いて害虫が大発生するらしいのです。
ところで、なぜリンゴが腐らないのでしょうか?
ある実験を見たことがあります。密閉した容器に色々な農法で作った野菜を入れて腐敗する時間を比べるというものです。まず、化学肥料を施肥したものは真っ先に腐敗しました。有機農法で栽培したものでも動物性の肥料を施肥したものは植物性の堆肥を施肥したものより先に腐敗しました。最後まで腐敗しなかったものは無施肥のものでした。
農薬や化学肥料を使わないことによって、本来の自然な畑の生態系を取り戻した畑のリンゴは、大地のエネルギーをいっぱい吸収して本来の「生命力」を蓄えているため腐らないのかもしれません。
木村さんは肥料の代わりに愛情を入れるそうです。なんでもリンゴの木、1本1本に話しかけるとか。はは~、なるほどね。実は、これは私もよくやります。家のプラントに水をあげる時に「いつもありがとうねー」とか「綺麗に咲いてねー」とか。植物は人の言葉や音楽に反応するので、これはなかなか効果的ですよ。実験で証明されていますが、植物はパンクロックよりクラシック音楽の方が好きみたいですね(笑)。
そんな木村さんの畑では不思議なことが起こるそうです。畑に来た人に浄化が起こったり、病気の人が治ってしまったり。ということは、よっぽどエネルギーが高くなっているのでしょうか。まるでパワースポットですね。まぁ確かに木村さん自体、底抜けに明るく、究極のプラス思考な方なので、間違いなくエネルギーは高いだろうし、その木村さんが毎日通っている畑もエネルギーが高いはずです。
それにしても、このリンゴたちの育った畑は放置されており、愛情は入っていないはず。なので、昨年は収穫させて頂いたお礼に、リンゴの木1本1本に「美味しいリンゴをありがとう!また来年もよろしくね。」と声を掛けて回ったので、今年のりんごは更に美味しくなっているはずです(笑)。
あぁ~、木村さんにソルトスプリング島のアップルファームを見せてあげたいなぁ。
by shantiom
| 2010-05-12 14:17
| 自然
|
Comments(6)
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kazumimi426 at 2010-05-14 07:31
おはようございます♪
木村の本私も一部読みました。家の実家は農家・・・そして農薬も売っていますヾ(-_-;) 段々気温が高くなってきて 「農薬なしでは作れない!!東北の寒いところでのリンゴ栽培とここでは違う」って言いますがこの本たちを読んだらそうは思いません。実際 リンゴもすごい消毒があるみたいだし・・・・家の70年近く生きてきた人たちの考えを変えるのはとても難しいです。
薬を使って虫が死ぬ→土が痩せる→作物は弱くなり 虫にやられる→また薬を使う とれた作物は汚染されてるし栄養も少ない・・・
悪循環ですよね
木村さんの奇跡のりんご食べてみたいです(*゚ー゚*)
ソルトスプリングも行ってみたいです
木村の本私も一部読みました。家の実家は農家・・・そして農薬も売っていますヾ(-_-;) 段々気温が高くなってきて 「農薬なしでは作れない!!東北の寒いところでのリンゴ栽培とここでは違う」って言いますがこの本たちを読んだらそうは思いません。実際 リンゴもすごい消毒があるみたいだし・・・・家の70年近く生きてきた人たちの考えを変えるのはとても難しいです。
薬を使って虫が死ぬ→土が痩せる→作物は弱くなり 虫にやられる→また薬を使う とれた作物は汚染されてるし栄養も少ない・・・
悪循環ですよね
木村さんの奇跡のりんご食べてみたいです(*゚ー゚*)
ソルトスプリングも行ってみたいです
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shantiom at 2010-05-15 04:15
kazumimi さん
高度経済成長期に急速に展開した農業の近代化、工業化で急激に進行した土壌破壊。多くの農地では農薬なしでは作物が作れないほど土が弱ってしまっているのですね。また、近代化に伴って発現するようになった農民の健康破壊。一番苦しんでいるのは農家の人々のはずなんですけどね。
>農薬なしでは作れない!!
私の父も大学で現代農業を学んだ人だったのでよくそう言ってました。母は今でも除草剤をまいていると思います。でも、最近の若者は食の安全性や環境に対する意識が高くなってきているので、これからの日本はどんどん目覚ましく変わっていくと思いますよ。
高度経済成長期に急速に展開した農業の近代化、工業化で急激に進行した土壌破壊。多くの農地では農薬なしでは作物が作れないほど土が弱ってしまっているのですね。また、近代化に伴って発現するようになった農民の健康破壊。一番苦しんでいるのは農家の人々のはずなんですけどね。
>農薬なしでは作れない!!
私の父も大学で現代農業を学んだ人だったのでよくそう言ってました。母は今でも除草剤をまいていると思います。でも、最近の若者は食の安全性や環境に対する意識が高くなってきているので、これからの日本はどんどん目覚ましく変わっていくと思いますよ。
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maco4459
at 2010-05-16 17:53
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『すべては宇宙の支配』の中で印象的だったのは、よく車を故障させてしまう整備工さんの話でした。木村さんは『あんたは道具を大切にしないから治した車が故障してしまうんだ。道具にも心が宿ってるんだよ』と整備工の人に諭します。私はこの話に深〜く共感し、以来、我が家の車をマメに洗車するようになりました。(笑)
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shantiom at 2010-05-18 00:43
maco さん
>以来、我が家の車をマメに洗車するようになりました。(笑)
あはは、私も見習わなきゃ(笑)。何しろ年に2,3回しか洗車しないので。
でも、確かに道具を見るとその人の腕まで見えますよね。
作品に魂が宿るように道具にも魂が宿るのでしょうね。
>以来、我が家の車をマメに洗車するようになりました。(笑)
あはは、私も見習わなきゃ(笑)。何しろ年に2,3回しか洗車しないので。
でも、確かに道具を見るとその人の腕まで見えますよね。
作品に魂が宿るように道具にも魂が宿るのでしょうね。
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える
at 2010-05-19 22:00
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お久しぶりです。みなさんお元気ですか?ブログいつも拝見させてもらってます。このりんごの本、2ヶ月ほど前に図書館で偶然目に入り、(そういえばアキさんのブログに・・・)と思い、読みました。涙がでました。
素敵な本に出合えたこのアキさんのブログに感謝です!
おまけ*そのとき、インドに行っていた友達のブログを見ると、fukuokaの文字が、、、木村さんがどん底で手に取った福岡正信さんの本、、、ちょうどオーロヴィルに滞在して農場のお手伝いをしていたそうです。遠回りにちょっと繋がった一瞬でした。
素敵な本に出合えたこのアキさんのブログに感謝です!
おまけ*そのとき、インドに行っていた友達のブログを見ると、fukuokaの文字が、、、木村さんがどん底で手に取った福岡正信さんの本、、、ちょうどオーロヴィルに滞在して農場のお手伝いをしていたそうです。遠回りにちょっと繋がった一瞬でした。
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shantiom at 2010-05-20 14:20
えるちゃん
お久しぶりです!我が家はお陰さまでみんな元気ですよ。
そうですか、読みましたか。素晴らしい本に出会えてよかったね!!
木村さんの本は手元に置いて、何度か読み返してみるといいですよ。
その度に元気をもらえます。
オーロヴィルはなかなか興味深い場所だね。
行ってみたいです。
お久しぶりです!我が家はお陰さまでみんな元気ですよ。
そうですか、読みましたか。素晴らしい本に出会えてよかったね!!
木村さんの本は手元に置いて、何度か読み返してみるといいですよ。
その度に元気をもらえます。
オーロヴィルはなかなか興味深い場所だね。
行ってみたいです。